●さかい しゅん・・・76年、ジャズクラブ「ミスティー」で歌い始め、翌年に初のアルバム『SHUN』をリリース。その後2枚のリーダーアルバムと数多くの作品を録音する約2年半の後に突然渡米。2年間をマンハッタンで暮らし、帰国。約8年間の沈黙の後、日本語の歌を積極的に取り入れ、渋谷毅(pf)と再会し復帰。日本語の歌をジャズクラブで歌い、ジャズシンガーが日本語曲のCDを発表することは今では珍しくないが、90年代までの酒井のスタンスはとても稀有なこと。加えて様々な国の様々な唄を歌い続け、そして阪神淡路大震災の後に生まれた「満月の夕(ゆうべ)」と運命的な出会いを果たす。その曲を歌うにあたっては賛否両論ある中、何年にも亘って歌い続け、03年に「日本レコード大賞企画賞」受賞。何回ものTV出演や連続ドラマの挿入歌提供等、活動範囲を拡げる。04年ころから、新たな音と唄の可能性を模索し、即興演奏、民族音楽、トラディショナル等を反映しつつ、セッションではない演奏家達との継続性のある共同作業も重視し、09年に8年振りの2枚組CD『Night At The Circus vol,1』を発表。10年に『PLAYS STANDARD vol.1』と『a few little things』を2枚同時発売。12年には『螺旋階段な日常』をリリース。10年以降はヴェトナムでも活動している。
こじま のりこ・・・柳原淑乃、大友義雄、井上淑彦、渡辺博彦に師事。数多くのミュージシャンとの交流を持ち、ライヴ演奏を主としている。ジャズに加えブラジル音楽のミュージシャンとの交流も深く、ボサノヴァ、現代ブラジル音楽のエッセンスも併せ持つ。プレイする曲はスタンダード、童謡やポップス等のアレンジ、そしてオリジナルと多彩。リーダーCDは『anytime』(18年)他、現在7枚。菊地成孔の『Degustation A Jazz』等にも参加。著作は『ジャズ・フルート・メソード1』。
なかやま えいじ・・・札幌市出身、79年上京。82年にデビューアルバム『北の大地』で一躍脚光を浴びて以来、日本を代表するベーシストの一人として全国規模の精力的な活動を続けている。透明感溢れる音色と独自の歌心には、日本人離れした力強さと最も日本人的な情感とが同居していると云われ、海外からオファーも多い。82~83年、エルヴィン・ジョーンズ(ds)ジャズ・マシーンに参加。以降、ドン・フリードマン(pf)、エリオット・ジグムンド(ds)、リチャード・デイヴィス(b)、ピーター・マドソン(pf)等と数多くのツアーを行い、多くのアルバムを発売。91~02年のローランド・ハナ(pf)とのデュオ活動では7回のツアーを行い、2枚のアルバムをリリース(故ローランド・ハナの最後の共演者)。また欧州へのツアーや、クラシック奏者や邦楽奏者とのセッションも行っている。17年、24作目のアルバム『How I Miss You』発売。作曲家としてCM音楽、ヴォーカリストや他のアーティストへの楽曲提供もしている。02年、自叙伝「北の大地から」を出版。
「大きな海の向こう側で暮らしながら見たもの、聞いたもの、触れたもの、味わったもの、感じたにおい、日々のおしゃべりから生まれた曲や、生まれ変わった曲たちをあなたのハートにおとどけします。この日、この夜だけのともこがくだん とくべつ公演!」(阿部智子)●あべ ともこ・・・5月生まれ、北海道で育つ。武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科入学を期に上京したがジャズに出会い衝撃を受け、傾倒する。大学2年の春より本格的に歌唱の勉強を始め、大学3年の春よりプロとしての都内、近郊で定期的に活動を開始。同年冬には代々木ナルのヴォーカルオーディションに合格、出演するようになる。卒業後、本格的に都内を中心に活動し、12年に札幌へ拠点を移す。15年に自身の音楽スキルや教養の向上のためカナダへ遊学し語学を中心に研鑽を積みつつライヴ活動も精力的に行う。16年にカナダ・トロントのJCCC(日系文化会館)にて歌唱を披露し注目される。17年には日本人初のHumber Collage Bachelor of Music Voice program の合格者となり本格的な音楽留学を開始。世界各国から集められたトップクラスの音楽家の講義やアンサンブルに日々参加しながら成長を続け、2年連続で優秀な生徒に与えられるStudent Awardを受賞。18年にニール・スェインソン(ジョージ・シェアリング・トリオのベーシスト)とのデュオライヴや、レッグ・シュワガ―(ドン・トンプソンとのデュオアルバムを制作しているギタリスト)との共演を果たす。声楽と音楽理論を國土潤一に師事。ヴォイストレーニング、西洋音楽理論、声楽用解剖学、インプロヴィゼーション、アンサンブル、アレンジメント、作曲をLisa Martinelli, Shannon Gunn, Suba Sankaran, Dylan Bell, Alex Dean, Pat LaBarbera に師事。
みほこ・・・北海道室蘭市出身。札幌大谷短期大学音楽科卒業、同専攻科修了。ピアノ講師を務める傍ら、ピアノ、オルガン奏者として活動。00年、渡米、バークリー音楽大学でジャズを学び、同校パフォーマンス科を卒業。Magna cum laudeでバチェラー取得。ジョアン・ブラッキーンとハービー・ダイアモンドに大きな影響を受ける。在学中、オリジナル作品でいくつかの賞を受賞。卒業後は、ボストンの有名ジャズクラブを始め、ニューヨークなど多数のライヴスポットに出演。自己のトリオの他、様々なグループのメンバーとして積極的に演奏活動を行う。ボストンの二大駅の一つであるノースステーションの街頭ライヴでは、多くの市民が足を止めてその演奏に聴き入るなど、高い評判を得ている。かつて、デューク・エリントンなど多数の有名ミュージシャンが演奏を行ったユニオン・ユナイテッド・メソジストチャーチで開催されているジャズ・アット・ユニオン・シリーズでは、メリー・ルー・ウイリアムス(歴史的な女性ジャズピアニスト)のトリビュートコンサートで、いくつものメリー・ルー作品を演奏し、好評を博した。その一方、ラテンアメリカのミュージシャンとも親交を深め、サルサ、ラテンジャズなどのピアニストとしても活動。毎年ボストン市内や郊外各地で行われるラテンミュージックフェスティヴァルにも出演している。共演は、タイガー大越、キャメロン・ブラウン、ヨロン・イズラエル、ギロ、レイ・ゴンザレス等。日本では、毎年札幌芸術の森で開催される「北海道グルーブキャンプ」に、アシスタント兼通訳としてプログラムスタート時より参加。タイガー大越、ジョアン・ブラッキーン、ヨロン・イズラエルをはじめとする米バークリー音楽大学の教授、講師らとともに後進の指導に携わっている。また、最近では、新冠町のレコード館ジュニアジャズバンドに講師として参加している。自己のトリオによるファーストアルバム『We’ll See』を10年にリリース。ボストン最大のFM局WGBH を含む、アメリカ各地のNational Public Radioにて放送されている。同年、レコーディングメンバーによるツアーが敢行し、室蘭ジャズクルーズを皮切りに新冠町、赤平市、札幌市で開催。11年、ボストン市内や近郊ジャズクラブにて同メンバーによるCDリリースコンサートが行われ、満席になる。15年、コネチカット州ハートフォード市で開催されているBaby Grand Jazz Concertに出演、スタンディングオベーションを受ける。現在も、ボストン、ニューヨーク、札幌を行き来しながら活動中。